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コラム

コーポレートサイトリニューアルを円滑に進めるポイント

コーポレートサイトは、企業にとって企業価値や社会的信用、または新たなビジネスチャンスを得るためのツールとしてとても重要ということを前の記事で述べました。

しかしながら、RFP(提案依頼書)を作成し、コンペをして、パートナーを選定したにも関わらず、リニューアルプロジェクトが円滑に進まないことがあります。結果、ビジネスチャンスを十分に獲得できていないかもしれません。今回は、サイトリニューアルプロジェクトを円滑に進めるためのポイントを紹介します。

サイトリニューアルまでの流れ

サイトリニューアルは下記の工程を経て公開されます。

  1. 要件定義
  2. 設計
  3. デザイン
  4. コーディング・システム構築
  5. テスト
  6. 公開

内容の粒度は違えど、サイトリニューアルは概ねこの工程でプロジェクトが進行していきます。
同じ工程なのに、円滑に進むプロジェクトと進まないプロジェクトがあるのはなぜでしょう。

多くの場合、技術的な要因やリテラシーの有無ではなく、
コミュニケーションロスや要件が不明確なまま進行をしたことによる認識の齟齬が要因になるケースがありますので、それらを防ぐためのポイントを2点紹介します。

成功のポイント1 コミュニケーション計画

コミュニケーション計画とは、プロジェクトや組織内で情報を効果的に伝達するための戦略や手順をまとめたものです。これは、プロジェクトに関わる関係者全員が必要な情報を適切なタイミングで受け取り、議論、解決に向かうために重要な取り決めです。

以下がコミュニケーション計画に含まれる主な要素とされています。

  1. 目的と目標
    コミュニケーション活動の目的と目標を明確にすることです。
    例えば、情報の共有、問題解決、意見交換などがこれにあたります。
  2. 対象者を明確にする
    誰に情報を伝える必要があるのかを特定します。
    例えば、プロジェクトメンバー、上司、該当の部署のスタッフなど担当者以外で解決できないタスクは、誰を対象にしたらスムーズに解決できるか見極め選定をします。
  3. 伝達手段
    コミュニケーションの方法やツールを決定します。情報が散乱してしまうと見落としや、十分に検討するための時間を失いかねません。
    例えば、メール、会議、タスク管理ツールなど、情報はどのコミュニケーションツールで行うかを事前に共有認識として持つことが重要です。
  4. 頻度とタイミング
    コミュニケーションの頻度とタイミングを設定します。進捗報告は週次定例会議、それ以外に課題がある場合は分科会の設定など。頻度とタイミングを明確にすることで事前の準備もしやすくなります
  5. 担当者を明確にする
    タスクや課題が発生した時に、誰がボールを持っているか曖昧なことがよくあります。
    担当者を明確にすることで、進捗の把握やシンプルなコミュニケーションが可能となります。
  6. 評価
    実際に選定したルールやツールでコミュニケーションを進めても、うまくいかないことは多々あります。その時は、コミュニケーションの効果を確認し、必要に応じて改善策を講じることが重要です。

リニューアルの規模や期間によって、内容や手段は異なりますが、
上記のようなコミュニケーション計画をしっかりと設けることで、認識の不一致を防ぎ効率的なプロジェクト進行が可能となります。

例えば、担当者とは合意がとれていたので、プロジェクトを進行していたが、最終的には決済者の了承が必要だったことが発覚し、プロジェクトが後戻りしてしまうことがことがあります。
このようなトラブルが起きないためにもコミュニケーション計画で対象者を明確にすることが重要です。

成功のポイント2 議事や課題の可視化

リニューアルプロジェクトが進んでいく中で、決定事項に認識の齟齬が発生することはよくあります。
定例会や分科会などで何気なく会話した内容が、実はプロジェクトに大きな影響を及ぼす内容が含まれていることも少なくありません。
そこで重要になるのは、プロジェクトメンバーが共通の認識を持つために決定事項や課題を可視化しておくことです。
つまり「議事録」や「課題管理表」をうまく活用することが、認識の齟齬が発生した場合に円滑に解決する方法といえます。

では、議事録や課題管理表を運用する際に、それがもたらす効果を改めておさらいします。

  1. 記録と証拠
    会議体で話された内容や決定事項を公式に記録に残すことで、後から参照できる証拠を残すことになります。これは、参加者間の誤解を防ぐために重要です
  2. 責任の明確化
    誰がどのタスクを担当するかといった具体的な項目や範囲を明確にすることができます。これにより、タスクの進捗の把握が容易になります
  3. 情報共有
    定例会などは毎回会議に参加できない方もいます。そこで議事録を共有することで重要な情報を提供することができます。また、上長や決済者に進捗や課題を共有しておくことで、万が一会議体での意思決定が、会社の方針にそぐわない場合でも、すぐに軌道修正が可能になります。
  4. プロジェクトの進捗把握
    複数の会議を通じてプロジェクトの進捗や課題を追跡するための重要なツールとなります。過去の議事録や課題管理表を確認することで、進行状況や達成度を評価できます
  5. フォローアップ
    次の会議や将来の計画を立てる際に、過去の議事録を参考にすることで、継続的な課題や未解決の問題、残ってしまった課題に対して効果的に対処できます

どのサイトリニューアルでも、議事録や課題管理表を使っての運用はしていると思いますが、今一度目的を意識することで、形骸化したドキュメントではなく、サイトリニューアルを円滑に進めるための重要なツールになります。
とくに、議事録内ではその会議での「決定事項」と次のタスクを「いつまでに」「誰が」担当するかを、プロジェクトメンバー全員に明示することが肝要です。

まとめ

今回は、サイトリニューアルを円滑に進めるポイントとして「コミュニケーション計画」「議事や課題の可視化」を紹介しました。
すごくシンプルで「当たり前」のことかもしれませんが、長い期間のプロジェクトや、短納期のプロジェクトでは「お座なり」になってしまうこともあります。

企業価値をユーザーに伝えるため非常に重要なツールであるコーポレートサイト。
当社では、プロジェクトの工程においても、クライアントに「つたえるをデザインする」を意識し、円滑なプロジェクト進行を実施していきます。