コラム
モバイルファーストを改めて考えてみる
私は仕事柄、コーポレートサイトやECサイトなど多くのwebサイトをスマートフォンで毎日見ています。日々サイト制作に携わっていると、「モバイルファースト」という言葉を耳にし、使っています。しかし、「モバイルファースト」の定義は非常に曖昧で、私も完全に理解しているか疑問に思うことがあります。
今回は、改めて「モバイルファースト」について考えてみたいと思います。サイトを閲覧するデバイスの比率がモバイルが多いサイトを運営している担当者様やこれからサイトをリニューアルする企業の担当者様の参考になれば幸いです。
モバイルファーストとは
「モバイルファースト」という言葉や概念は、2010年代の初めから広く使われるようになりました。
特に、Googleの元CEOであるEric Schmidt氏が、2010年に「モバイルファースト」の重要性について言及したことが大きなきっかけとなっています。
それ以来、webデザインや開発において、まずモバイルデバイス向けに最適化されたデザインやコンテンツを作成し、その後にデスクトップ向けに拡張するという考え方が一般的になりました。
つまり、「モバイルファースト」はもう10年以上前から存在していることになります。
ただ、制作手順としてスマホから作成し、デスクトップ(PC)向けに拡張するという考え方がいまいちピンと来ない方もいるのではないでしょうか? 実は私もその一人です。
「モバイルファースト」とは単に制作手法の概念なのでしょうか?
レスポンシブデザインはモバイルファースト?
レスポンシブデザイン(Responsive Design)とは、webサイトやアプリケーションが、ユーザーが使用しているデバイスの画面サイズや解像度に応じて自動的にレイアウトを調整するデザイン手法のことを指します。
スマートフォンやタブレット、PCでwebサイトを閲覧した時に表示される情報がデバイスごとに見やすいレイアウトになるため、閲覧者はストレスなく情報を取得できることになります。
ということは、レスポンシブデザインも「モバイルファースト」の一つの手法になるのでしょうか? スマートフォンで閲覧した時に、専用にレイアウトされたページが閲覧できるという意味では「モバイルファースト」と言っても良いかもしれません。
ただ、スマートフォンで閲覧した時に下記のようなページを見たことはないでしょうか。
- 文字が小さい
- 画像が小さい
- 横にスクロールしなければならない
- リンクのタップがしづらい
レイアウトはスマートフォンに最適化されているにもかかわらず、細かい部分まで設計がされていないためユーザビリティーが悪くなっているサイトを目にすることがあります。
前述した「レスポンシブデザインも「モバイルファースト」の一つの手法になるか?」の答えは、
「Yes」になると考えますが、どこまでモバイルを意識した設計にするかによって印象が大きく変わってくるといえます。
モバイルファーストで意識したいこと
では、「モバイルファースト」で一番意識しなければならないことは何でしょうか? それは、モバイルで閲覧したユーザーのユーザーエクスペリエンス(UX)を最も高める構造設計にすることであると考えます。
その企業のコーポレートサイトやキャンペーンサイトが、どのデバイスで見た時に最もUXを向上させるか、サイトの閲覧比率がモバイルが圧倒的に多いサイトと、半分以下のサイトでは構造設計は変わってきます。
弊社では、モバイルユーザーエクスペリエンスを考慮し、サイトの効果を最適化するため設計フェーズでサイトの傾向を踏まえた構造を提案します。
サイトをリニューアルしたけど、期待した効果が出ていない。現状のサイトに課題があるご担当者様はぜひご相談ください。